井伊直政の甲冑はなぜ赤い? アイアンマンのモデルになったって本当!?
井伊直政の甲冑は”井伊の赤備え”として有名ですが、それはどのようなものなのでしょうか?
また何故赤に統一したのでしょうか?
探ってみたいと思います。
井伊直政が赤い甲冑をつけていたワケ
井伊直政の甲冑は、”井伊の赤備え”と言われ、あらゆる武具を朱塗りにしたものです。また”赤備え”とは本来、戦国時代の軍隊編成の1つです。
もともと赤備えは、高級品である辰砂で出される色で染められ、戦場でも特に目立つため、武勇に秀でた武将が率いた精鋭部隊が身に付けていました。
赤備えを最初に率いたのは武田軍の飯富虎昌で、その後山県昌景が引継ぎました。徳川家康は武田軍と戦った時にはこの赤備えを鮮烈に覚えていたようで、武田家の旧臣達を召抱えた時に、その多くを井伊直政に与え、”井伊の赤備え”として復活させました。
井伊直政が赤い甲冑をつけることになったのは、家康によって徳川の精鋭部隊”井伊の赤備え”を率いる大将になったからです。
その後、井伊家は幕末までこの”井伊の赤備え”が基本とされました。
井伊直政がつけていた甲冑は何処にある?
井伊直政がつけていた”井伊の赤備え”は、現存しているのでしょうか?
井伊直政の甲冑は、歴代の藩主・家臣の赤備えと共に、直政亡き後に築城された彦根城の中にある「彦根城博物館」に保管され、常時見ることができます。
映画「アイアンマン」のモデルになった!?
アイアンマンの中の人であるトニー・スタークが作り上げたスーツの中に、もし日本古来の戦士「サムライ」をモチーフにしたスーツがあったならと妄想を描いたファンアートとしてネット上で公開されています。
このイラストが井伊直政が着用していた和甲冑をモデルとしているという話で、日本刀を意識したブレードを持ち、赤備えと同様に赤い色の鎧という感じになっています。ですが、兜の特徴でもある長い金箔押の脇立(兜の角みたいなヤツ)は再現されていません。
本当に、映画の中でも採用されたらいいですね。
どんな作品か気になる方はこちらの動画をご覧ください。
まとめ
赤い甲冑は、戦国武将の間では精鋭部隊または最強部隊として、武勇の誉れの象徴だったようです。その甲冑をつけていたということは、井伊直政に家康が期待していたということでしょう。
また、井伊直政もその期待に応えるべく、小牧・長久手の戦いで初めて赤備えを率いて武功を挙げ、天下にその名を知らしめることになります。
正に赤い甲冑は、武将・井伊直政の象徴と言えるのではないでしょうか?