戦国時代に衆道が一般的だったことは、皆さんご存知だと思います。
すると、織田信長と森蘭丸の関係がそうだったんじゃないかとか、まず思い浮かびますよね。
他にも多くの武将がそういう関係だったんじゃないだろうかと推測が乱れ飛んでいますが、織田信長のお相手に、超大物がいたというのはご存知でしょうか。
その相手が、前田利家だと言われているのです。
2人の男色関係の真偽
男色関係は、主に小姓と結ぶことが多かったようです。利家は、犬千代と名乗っていた頃から信長の小姓を務めていました。
後世に伝えられている彼の容姿は、細身の長身(約182cm)でたいそうな美男だったそうです。それに加えて武勇に長けていましたから、信長が気に入るのも無理はなかったかなと思われます。
それに加えて、加賀藩の資料「亜相公御夜話(あしょうこうおんやわ)」に、彼らが関係を持っていたというエピソードが記録されているのです。
「亜相公御夜話」に残された記録
亜相公御夜話には、「鶴の汁」というエピソードが収録されています。
信長が、安土城に家臣を集め宴を催したときのことです。信長は、利家の髭を引っ張りながら、若い頃彼と愛人関係にあったことを匂わせる話を披露しました。
これを聞いた側近たちは、利家をひどく羨ましがったそうです。利家はと言えば、こういった宴席で出される「鶴の汁」という貴重な料理を食べて、後で食あたりしてしまったということでした。そんな話です。
ここで興味深いのは、側近たちが利家を羨んだということです。主君の寵愛を受けるということ(=男色関係になる)は、おそらく立身出世にもつながったでしょうし、当時は何らおかしなことではなかったのでしょうね。
他に信長と男色関係にあった人物
信長との関係が噂される人物としては、まずは森蘭丸ですが、あまりにも有名なのでここでは省略します。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
他にそういう人物がいたのか見ていきましょう。
噂されるのは、堀秀政です。彼は豊臣秀吉から信長の小姓に推薦され、側近に取り立てられました。やはり、美形だったそうです。
そして、これは森蘭丸にも言えることですが、実務の能力も一流であり、武将としても優れていた人物でした。
信長の死後は秀吉に仕えますが、小田原攻めの最中に陣没してしまいます。38歳の若さだったため、秀吉はその死をひどく惜しみました。
もう一人名前が上がるのは、長谷川秀一です。彼も信長の小姓として仕えはじめ、寵愛を受けたといいます。後に織田家奉行衆となり、信長没後は秀吉に仕えました。
まとめ
ただ、森蘭丸にしても後述の2人にしても、あくまで噂の範疇であり、はっきりした記録はありません。
しかし、利家に関しては記録があり、美形で武勇に長け才能があった利家が寵愛を受けたということは、同じように才能と容姿に恵まれていたであろう堀や長谷川も、信長の寵愛を受けていた可能性は低くないと思われます。
それにしても、信長はやっぱり美形がお好みだったのでしょうか。