芥川龍之介はドッペルゲンガーを見てしまって死んだ!?
『羅生門』など数々の作品を残して自殺した芥川龍之介。
彼の晩年の作品である『歯車』によると、芥川龍之介は自身のドッペルゲンガーを見たのではないかという説があります。
ではそのドッペルゲンガーとはいったい何なのでしょうか。
そして、それは芥川龍之介の死に関わっているのでしょうか。
ドッペルゲンガーとは
ドッペルゲンガーとは、自分の姿を第三者が(本当の自分がいない場所で)違う自分を見る、または自分自身で違う自分を見るという現象、およびその虚像の自分のことを言います。
自ら自分のドッペルゲンガーを体験した場合、死に至るという都市伝説もあり、昔から現在でも恐れられています。
この自分の姿を見るという現象は、医学的には「自己像幻視」と呼ばれます。
チューリッヒ大学のブルッガー博士らの研究によると、この様な事が言われています。
側頭葉と頭頂葉の境界領域に脳腫瘍ができた患者が「自己像幻視」を見ることが多い
また、アーヘン大学のポドル博士はこの様な見解を示しています。
脳腫瘍に限らず、偏頭痛が発生する原因となる脳内血流の変動によって、脳の一部の機能が低下することでも起こる
ドッペルゲンガーを見た者が死に至る理由
ドッペルゲンガーを見た者がその後死に至ると言われていますが、それはなぜでしょうか。
一つは自分自身を見たショックで心臓麻痺で即死する、または精神を患って死に至るということ(特にドッペルゲンガーを見たら死ぬという前情報がある人は余計にショックを受けるでしょうね)。
もう一つは上記の通り、元々ドッペルゲンガーを見てしまうほど、脳に異常が起きていたからだという理由があります。
芥川龍之介の死とドッペルゲンガーについて
芥川龍之介も偏頭痛またはそれの前兆現象である閃輝暗点(せんきあんてん)を患っていたという説があり、それに伴ってこのドッペルゲンガー現象が起こったのではないかとされています。
芥川龍之介の直接の死因は服毒による自殺なので、病死ではありません。
しかし、もしドッペルゲンガーをみたというのが本当のことであれば、それによって精神に変調をきたして自殺をしたのではないでしょうか。
「将来に対する唯ぼんやりとした不安」の中にこの現象がなかったとは言い切れませんね。
ドッペルゲンガーをみた著名人
ドッペルゲンガーを見たとされる著名人は芥川龍之介以外にも複数人います。
例えば、アメリカ第16代大統領であるエイブラハム・リンカーンもその一人で、リンカーンも芥川と同じく偏頭痛を患っていました。
また、多くの超常現象や心霊現象についての著作がある、フランス人のエミリー・サジェは同時に40人以上もの人にドッペルゲンガーを見られたという経験を持っています。
他にもドイツの詩人・ゲーテや、ロシア女王・エカテリーナ2世、イギリス女王・エリザベス1世、フランスの作家・モーパッサンらも、ドッペルゲンガーを見たと伝えられています。