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フランシスコ・ザビエル ミイラ化された奇跡の右手とは!?
日本にキリスト教を伝えた人物として有名なイエズス会の宣教師・フランシスコザビエル。
彼の遺体はミイラとなって現在も保管されています。
そんな彼の遺体の中でも有名なのが「奇跡」の右手です。
何が「奇跡」なのでしょうか。また、どこで見られるのでしょうか。
ミイラになった理由
ザビエルは1549年、日本でキリスト教を布教するために来日しました。
しかし、その活動の中で、日本全土で布教するためには、日本の文化に大きな影響を与えている中国での布教活動が不可欠と考えるようになります。
その後、1552年9月中国の上川島に到着したザビエルは病を発症。到着から3カ月ほどで死去してしまいました。
ザビエルの死を看取った中国人のアントニオらはその遺体をインドのゴアに船では工房とします。しかしそのままではダメということで、少しでも早く遺体を腐敗させて遺骨にするために遺体の入った棺に石灰を入れたのです。
しかし、遺体はいつまでたっても腐らず、ミイラとなってしまいました。
ザビエルは聖人だから腐敗しなかった!?
キリスト教には、生前信仰心が篤かった人は神から選ばれ聖人となり、死後不朽体(インコラプティブル)となるという考えがあるそうです。
不朽体となると、いつまでも腐敗せず、死後硬直もなく、微香が漂い、しかも体の一部から出血するというのです。
有名な不朽体としては、「生きている少女」として知られているロザリア・ロンバルドがいます。つい最近にも「瞬きをした」としてテレビで取り上げられていました。
しかし一説には、両親が死後防腐処理を施したともいわれているので、「奇跡」とするには疑問が残ります。
他にも、ベルナデッタ・スビルーがいます。彼女は生前、聖母マリアに会ったといい、その際ルルドの泉を湧かせたという奇跡が伝えられています。
それはともかく、埋葬から30年後に掘り起こされた際、その遺体は全く腐敗していなかったそうです。現在はフランスの聖ギルダート修道院に安置されていますが、本当にきれいな遺体は、信心深くなくても奇跡を信じたくなってしまうほどです。
しかしながら、ザビエルのミイラはまさに「ミイラ」の姿をしていますので、「不朽体」とは呼べないのではないかと思います。
それに、9月の暑い最中に、乾燥した石灰を棺に詰め、海岸に置いておいたら当然腐敗せずに乾燥が進み、ミイラになるでしょう。
ザビエルの右手に奇跡が!
不朽体ではない!と言い切りたいところですが、一つ不朽体を疑ってしまう奇跡が起こります。
1614年、ローマのイエズス会総長の命令で右腕下膊が切断された際、鮮血がほとばしったというのです。1614年といえば、ザビエルの死から60年以上が経過しています。
乾燥しきっていればその血も同様のはず。
体の一部からの出血は不朽体の特徴でもあり、やはりザビエルは聖人に選ばれ、不朽体となった!とも考えられるのではないでしょうか。
このことが直接の理由かはわかりませんが、1622年ザビエルは教皇グレゴリウス15世により聖人に列せられたのです。
奇跡の右手が見たい!
ザビエルの遺体は接した人が苦しみから解放されると言われています。
日本でも1949年と1999年に箱に入れられた状態で展示されました。
通常、この右腕はかつてイエズス会の本拠地があったイタリアローマのジェズ教会の「聖フランシスコ・ザビエル礼拝堂」というところに銀の聖遺物箱の中に入れられて保管されています。
観光客でも見学ができるようなので、「苦しみから解放されたい」方は一度行ってみてはいかがでしょうか。