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前代未聞の大事件! 織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちした理由とは!?

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織田信長の数々の「悪行」と呼ばれるものの中に比叡山延暦寺への焼き討ちがあります。

多くの僧侶や女子供が殺されたこの事件は神仏を恐れない暴虐な行いだったと言われますが、本当にそうだったのでしょうか?

当時の比叡山の状況も踏まえて考えてみたいと思います。

腐敗しきった比叡山

当時の比叡山は仏教の権威としてはあまりにも規律が乱れ、腐敗しきっていました。

平安時代末期、比叡山をはじめ、大きな寺は武力を持った僧兵と呼ばれる独自の武力を抱えていました。

名目的には自衛の為ですが、実際は寺の主張や利益のために朝廷に押しかけて荒々しいデモを行ったり、街道に勝手に作った関所から通行税を巻き上げて流通を阻害したりのやりたい放題の有様でした。

僧侶達は街に出ては酒を飲み、寺に女性を連れ込んだりもしたそうです。これらの行為は当然禁止されています。

何が聖職者だと声を上げたくなるところですが、当時の社会では僧侶を敵に回せば仏罰が当たると考えられていました。

つまり、比叡山は武力的にも宗教的にも権威を持った手の付けられない相手で、どんな事をしでかしても泣き寝入りするしかありません。

朝廷ですら彼らの行いを黙認しました。

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燃え上がる比叡山の情景は創作!?

織田信長は宗教に否定的だったとも言われますが、決してそうではありません。自身も桶狭間の戦いの前に熱田神宮に参拝したり、堺からの上納金を朝廷と寺社に寄進したりと当時の大名が行うような事は普通にしています。

しかも、豊臣秀吉や織田信長が弾圧したキリスト教の布教に関しても、交易の為に許していました。

ただし、彼は非常に合理的な考えをする人だった為に仏罰を恐れたりはしませんでした。

彼にとって、流通を阻害する上に大きな兵力を持った比叡山は見過ごせる相手ではありませんでした。

1571年、ついに信長は兵糧攻めを行っていた朝倉氏と浅井氏に対しての比叡山の援助を理由に比叡山の焼き討ちを決意します。

「信長公記」といった信長の活躍を書いた本には比叡山全山に火を放ち、女子供に至るまでを尽く殺し尽くした残忍な様子が描かれています。

しかし、焼き討ちと言っても比叡山の全山に火を放ったという話は後の誇張で、実際は比叡山の麓の坂本という町を中心に大規模な戦闘が行われたようです。

実際には比叡山だけではなく、日吉大社や西教寺も焼かれていますが、今残された跡を見る限り比叡山全てが火の海になったのは大袈裟だろうと考えられています。

この坂本での戦いでは逃げ遅れた僧侶や、坂本の町で僧侶相手に商売をしていた町民や遊女もみな捕らえられて首を切られてしまいます。

比叡山の焼き討ちにより政教分離が達成された!?

比叡山の焼き討ちという事件は当時の社会では前代未聞の大事件でした。

織田信長はそれまでタブー視されていた寺社への攻撃や僧侶の殺害を平然と行い、自身が迷信など信じていない事を示したのです。

敵対する勢力であれば相手が武将であろうが僧侶であろうが容赦はしない事を実例として突き付けたのがこの出来事でした。朝廷、全国の武将達、庶民に至るまで織田信長の恐ろしさを知らしめるには十分すぎる物だったに違いありません。

比叡山の焼き討ちは意外な影響を日本という国にもたらしています。この事件によって日本では欧米諸国よりも350年程も先行して政治と宗教を切り離す政教分離がほぼ実現します。

信長に完膚なきまでに制圧された宗教勢力は武力を失い、政治への口出しも不可能になりました。

現在の日本人が割と宗教には冷めた人が多いのもこの事件によって、日本が宗教国家にならなかったからかもしれませんね。

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まとめ

絶対に手出しの出来ない立場を利用して、私腹を肥やしていた比叡山は織田信長の登場によって、その権威を失墜してしまいます。

それこそ、比叡山の僧侶達には仏罰が当たったと言われそうな話ですが、時代の風潮に流されずに比叡山と敵対した信長は正に風雲児と呼べる人であったと思います。

さらには比叡山の焼き討ちによって現在まで至る政治と宗教の関係を作り上げたとなると、彼は日本人の根幹をも揺るがした事になるのではないでしょうか。

Mana

投稿者プロフィール

歴史が好き!!の勢いで突っ走る歴史オタクのライターです。
その時代に生きた人々の文化や偉人達の人間味あふれるエピソードに興味津々。鎌倉や京都、全国の史跡を訪ねつつ温泉や美味しい物を楽しむのが何よりの幸せです。
歴史のオモシロ話を読みやすい文章でお届けできるように頑張ります。

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