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豊臣秀吉の指が1本多かったという説の真相に迫る

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天下人、豊臣秀吉は指が6本あったという説があります。

それは豊臣秀吉をよく知る当時の人が残したふたつの文献に、秀吉の右手には親指が2本あったという記述があるからです。

前田利家の「国祖遺言」による証言

その文献のひとつめは、前田利家の「国祖遺言」です。

「国祖遺言」は加賀藩中の一門・家臣に向けて、藩祖である前田利家の事績を称揚する目的で書かれた利家の言行録ですが、その中にこういう記述があります。

「大閤様ハ右之手おや由飛一ツ多六御座候(太閤様は右の手の親指がひとつ多く六本だった)」

「国祖遺言」は、その中の戦陣訓が朝倉宗滴の「朝倉宗滴話記」に似ている部分があるなど、信憑性の疑わしい部分もある書ですが、秀吉もすでに没した後の書なので、たとえば秀吉を誹謗中傷するためにありもしないことを書いたとは考えにくく、事実として指が1本多かったと書いたものと思われます。

ルイス・フロイスの「日本史」による証言

文献のふたつめは、ルイス・フロイスの「日本史」です。

ルイス・フロイスは、イエズス会の宣教師として戦国時代の日本に上陸し、織田信長の信任を得てキリスト教の布教に尽力したポルトガル人で、イエズス会の指示で日本における布教活動の歴史を記録していました。

その記録をまとめたのが「日本史」で、戦国時代の日本を外部から客観的に記録した文献として第一級の評価を得ています。

その「日本史」での豊臣秀吉の項にはこういう記述があるのです。

「身長が低く、醜悪な容貌の持ち主だった。片手には六本の指があった」

フロイスと秀吉の関係は、当初は信長の施策を受け継いで良好でした。しかしやがて秀吉は、イエズス会とその背後にあるイスパニアの勢力拡大に危機感を抱くようになります。そして、伴天連追放令を出してキリスト教の布教を禁止するに至ったのです。

このため、フロイスの秀吉に対する記述には辛辣なものが多く、6本指も根拠のない中傷であるとする説もあります。

しかし、秀吉の指の数に関する記述はこれのみで、6本指であることに対する評価もないため、単に事実として記したとみる方が妥当でしょう。

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実は珍しくない日本人の多指症

指の数は通常より多かったり少なかったりした状態で生まれてくるというのはそう珍しいことではありません。

専門的には指の数が多いものを多指症、指の数が少ないものを欠指症と呼びますが、秀吉もこの多指症であったと考えられます。

また、人種によっても余分な指の発生箇所が異なり、日本人の場合は親指が多いというのも、秀吉が多指症であった可能性を裏づけています。

多指症は日本人では、1000人に1人以上の確率で発生するといいますから、それほど珍しく異常ではないことがわかります。

ただ、現代では早い段階で余分な指を切除するのが一般的になっているため、目立たないだけなのです。

前述の前田利家の「国祖遺言」にも、秀吉の指が6本あったという記述に続けてこういう記述があります。

「上様ほとの御人成カ御若キ時、六つ由ひヲ御きりすて候ハん事にて候を、左なく事に候(太閤殿下ほどの人物ならば、若い時に6本目の指を切除していてもおかしくはないのに、それをなさらなかった)」

これを見ると、歴史に名を残すような人物は、現代と同じように子どものころに余分な指を切除するのが普通だったと推測されます。

また、身分の低い者が余った指を切除しなくても、それは歴史には残りにくいでしょう。

秀吉以外に多指症の人物がいたという事が知られていないのは、そういう事情なのだと思われます。

多指症の有名人と有名猫

とはいえ、多指症の有名人が皆無だというわけではありません。

海外では、英国王ヘンリー8世の2番目の妃であったアン・ブーリンが右手の小指が2本あったといわれていますし、毛沢東夫人で文化大革命の四人組の中心であった江青も右足の指が6本あったといいます。

最近の人物では、メジャーリーガーの投手で、フロリダ・マーリンズなどで活躍したアントニオ・アルフォンセカ選手が、両手両足の指がすべて6本でシックス・フィンガーズというニックネームで呼ばれていたのは記憶に新しいところです。

人間ではありませんが、作家のアーネスト・ヘミングウェイがフロリダ州キーウエストで飼っていた猫も多指症であることで有名で、現在もヘミングウェイ博物館となっているキーウエストの家にその猫の子孫が数十匹飼われています。

この猫たちも多指症であり、幸運を招く猫として観光客に人気を呼んでいます。

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