明治時代から汚職事件は多々あった! 井上馨が起こした事件とは?

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長州藩の藩士の次男として生まれた井上馨は後世には鹿鳴館を造った人物として知られています。

彼は明治維新後、情報収集と財政面での能力を買われ、外務大臣や大蔵大臣などを歴任しました。

しかし、三井財閥との密接な関わりを持ち賄賂と利権が批判されました。そんな彼が起こした汚職事件とはどのようなものだったのでしょうか。そして、その汚職事件後の彼の動向は?

尾去沢銅山汚職事件と井上馨

江戸末期、南部藩(現在の岩手県)は財政難におちいっていました。そこで藩の御用商人であった鍵屋の村井茂兵衛という者から多額の借金をしていました。

しかし、当時の身分制度からくる慣習により、その借金の証文には藩から村井に貸し付けたということになっていました。井上馨はこの証文を盾に村井に借金の返済を迫り、村井の所有していた現在の秋田県にある尾去沢銅山を没収してしまいました。これにより村井は破産に追い込まれました。井上はさらにこの銅山を同郷人で自分の腹心である岡田平蔵に競売で払下げ、銅山に「従四位井上所有」という立札を立てさせて私物化を図りました。

納得いかない村井は司法省に訴え、司法卿であった江藤新平は徹底的に調査を進め、井上の逮捕寸前までいったのですが、長州藩の木戸孝允の妨害でかなわず、結局井上の辞職・大蔵省から村井に還付金を支払うこと・井上に30円の罰金が下されただけで、銅山は返還されないというウヤムヤな形で収束しました。この一連の流れを尾去沢銅山汚職事件といいます。

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事件発覚後の井上馨

事件発覚後、井上はその任を解かれ、政界から一旦身を引いており三井物産の前身である先収会社を設立するなど実業界で身をたたせていましたが、伊藤博文からの強い要請で復帰を果たしました。明治8年(1875年)に起きた江華島事件の処理として翌年、黒田清隆とともに朝鮮に渡り日朝修好条規を締結しました。さらにアメリカやイギリス・ドイツなどを周遊し、伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任すると、外務大臣に選ばれました。

その後も農務省大臣、内務大臣、大蔵大臣を歴任し、第4次伊藤内閣崩壊後、命を受けて組閣作業を開始しましたが、右腕であった渋沢栄一に大蔵大臣の推薦を断られ、渋沢抜きでは国政運営はできないと大命を辞し、代わりに後輩であった桂太郎を首相に推薦して桂内閣を成立させました。

明治42年(1909年)伊藤博文が暗殺されると、西園寺公望などとともに元老として政界・財界に多大な影響力を持ちました。このように汚職事件後も大した没落はせず、出世街道を進み、井上馨は大正4年(1915年)9月に死去するまで権勢を奮っていました。

明治時代の汚職事件

明治時代はこの銅山汚職事件以外にも、汚職事件が横行しました。その中の2つを例にとってみていこうと思います。

まず、明治時代の汚職事件の代表的なものとして「山城屋和助事件」があります。これは当時明治新政府の陸軍卿の地位にあった山県有朋が関連したものです。山県は同じ長州藩出身の山城屋和助という者を取り立てて兵部省の御用商人としました。御用商人となった山城屋は軍需品の納入を引き受けて莫大な利益を得ました。山県はその見返りとして山城屋から多額の献金(いわゆる賄賂)を受けていました。

さらに山県は公私濫用して山城屋に陸軍の公金を勝手に貸し付けて、山城屋はその資金を元に生糸相場に投資しました。しかし、生糸相場は暴落し、大穴を開けてしまいました。その補てんをするために山県はさらに山城屋に貸し付けを行いましたが、山城屋はその金を持ち逃げしてパリに渡ってしまいました。そのことがパリの日本大使館の耳に入り、陸軍省に内部調査が入ってこの汚職事件が発覚したのです。

ほかには明治41年に起こった「日本製糖汚職事件」があります。これは日本政府が台湾を統治するにあたり、樟脳と製糖を台湾における主要産業とし、製糖関係では1902年(明治35年)に「輸入原料砂糖戻税」を制定して保護をしました。この5年間有効の法律をさらに延長させ、自社の権益を守るために、日本製糖社の取締役の秋山一裕・磯村音介などが共謀し、複数の衆議院議員に金品を贈賄した疑獄事件です。収賄を受けた議員は立憲政友会、憲政本党、大同倶楽部の三派20名に及んだと言われています。

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投稿者プロフィール

天智天皇~称徳天皇朝が好きな一児の歴女ママです。
夢は奈良の明日香村付近に住んで、その時代の古墳やゆかりの地巡りを満喫したいなと思っています。
皆さんに読みやすく、そして分かりやすく面白い文章をお届けしたいです。

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